★女子体操パワハラ問題ではなく、日本体操協会の組織体質の問題

 スポーツの世界の問題が芋づる式で表面化しています。

 今まで、当たり前で仕方のなかった体質が、団体以外の目に触れて正されようとしているのは良い流れではないでしょうか。

 

 女子体操の問題は、「日本体操協会の組織体質の問題」と「宮川選手と速見コーチ間のパワハラ問題」とに分けて考えれば少しわかりやすくなります。

 

 「組織体質」の面から・・・スポーツに限らず各種団体には「変な大人」がいっぱいいて、独特の習わしをつくっているものなのです。それを理解して、理不尽なことに合わせていくのも実力のうち、と考えなければ耐えられないことがしばしば発生するのです。自分を守ってくれる人に大切なタイミングで出会えるかどうかという運不運も重要になってきます。

 

 スポーツに関して言うと、小学校時代におかしな集団に所属していたとしても、のちに修正は可能ですが、中学生以降になるともろに競技人生に影響が出てくることとなります。高校入学や大学進学時のスポーツ推薦とか、各世代別の代表選抜メンバーになれるかどうか、とか・・・

 

 今、これまでの世間に知られていなかった理不尽さが修正される時代がやってきたのかもしれません。才能があるのにつぶされる子供や選手たちの数がグンと減ってほしいと願います。

 

 組織の理不尽さはスポーツの世界に限らず、例えば、会社などでもあるわけなのですが、仕事の絶対的スキルがあれば、本人が組織を選ぶことのできる力を得ているはずですので、スポーツ組織の中での怪しいしきたりと同列には扱えないですね。

 

 「宮川選手と速見コーチ間のパワハラ」の面から・・・これ、暴力を振るわれても納得をしている、アメとムチ、DV男から女の子が離れられない関係と似ている気がします。本人同士が納得しているからよい、とはなりません。パワハラやセクハラは当事者同士が問題にしていなくても、それを目にした人が不愉快に思えばやはり問題です。

 それに、こういういびつな成功例を承認してしまうと、勘違いした人が別の被害者をつくってしまう可能性もあります。

 

 会社組織から理不尽さを完全に除去することは期待しておりませんが、スポーツや芸術の世界は未来に向けて浄化していってほしいと切に願います。